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2019.10.18

WING

ベル、和歌山と石川の消防防災ヘリを受注

両県412EP型機を412EPIに更新へ

 ベル・ヘリコプターは10月15日、和歌山県と石川県から、それぞれ消防防災用ヘリコプターとして2機の412EPIを受注したことを発表した。ベル・ヘリコプターによれば、これらの受注はロータークラフト・サービスおよびユーロテック・ジャパンを通じて受注したものだという。
 ベル・ヘリコプターはベル412EPをプラットフォームとしてベル412EPIを開発。コクピット周りに完全統合型のグラスコクピットである「Bell BasiX Pro」を採用。これによりパイロットは運航に必要な情報を容易に入手することができるようになり、状況把握や運航安全性を高めた。
 ベル・ヘリコプター北東アジア担当マネージング・ディレクターのジャシャント・モンヘ氏は、今回の2県からの受注獲得を歓迎しつつ、「この受注は日本の準公共分野がベル412EPIにおける存在感であり、かつこの機体を用いて命を救うことに対する信頼を表すものだ」とコメントした。
 和歌山県は現在の「きしゅう」を1996年3月9日から運航スタート。この機体はベル412EP型機で、南紀白浜空港に拠点を置き、県全域を約24分でカバーしてきた。一方の石川県消防防災航空隊の「はくさん」は1997年4月23日に運航を開始。小松空港をベースとする同機もベル412EP型機となっている。
 なおベル・ヘリコプターはこうした消防防災ヘリなどいった運航分野のみならず、日本の製造業などとの協力関係を深化している。とりわけ緊密な結びつきが強めているのがSUBARUだ。ベル412EPIを更に進化発展させた「SUBARU BELL 412EPX」を共同で開発し、これを民間市場に投入。さらに同機をプラットフォームとして陸上自衛隊向け多用途ヘリコプター「UH-X」に採用された。UH-Xの試作機は既に今年2月28日、防衛省に納入済みだ。

 

※写真=和歌山県と石川県は消防防災ヘリコプターにベル412EPIへと更新する(提供:ベル・ヘリコプター)