ウイングトラベル
訪日中国人旅行者、個人化の流れ加速
吉村久夫中連協会長、リピーター4割に上昇
訪問地多様化、経済力ある層向けマルチビザ倍増
訪日インバウンドの最大市場の中国からの訪日旅行者数は過去5年で5.6倍に増え、人数、旅行消費額ともにトップの市場へと成長した。ただ、その中身を見ると、団体観光から個人観光へと急速にシフトしており、消費傾向や訪問地にも変化が見られる。中国マーケットの動向や課題について、中華人民共和国訪日観光客受入旅行会社連絡協議会(中連協)の吉村久夫会長は、インタビューで次にように語った。
個人化の流れがここ数年で加速している。2016年は個人観光と団体観光の比率は5対5だったが、2017年には6対4に逆転した。早いスピードで個人化が進んでいる。
2017年の中国からの訪日旅行者数は、前年比15%増の736万人に達した。そのうち観光ビザでの訪日客数は7%増の400万人程度。クルーズの寄港が大幅に増えて、全体を押し上げた。
中連協会員の取扱い数値でいえば、個人客は昨年200万人を超えたが、逆に団体観光ビザは前年割れし、前年の8割程度になった。明らかに個人化が進んでいる。個人観光ビザの種類も増えており、2017年は個人観光の一次ビザは30%程度伸びたが、十分な経済力を有する方向けのマルチビザ(数次ビザ)は倍以上の約27万人まで伸びた。今後さらに伸びていくだろう。
また、クルーズ客船の寄港数は長崎港を例に見ると、中国からは対前年1.7倍の220回超に達しており、クルーズでの訪日客数もほぼ比例して伸びているものとみられる。
※写真=インタビューに答える吉村久夫中連協会長