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河野防相、嘉手納降下訓練に中止要請も米側強行
「SACO合意違反といわざるを得ない」と反発
河野太郎防衛大臣は10月29日の閣議後会見で、在日米軍が計画した嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練について、強く中止を要請したことを明かした。しかしながら在日米軍は、会見当日の夜に同訓練を強行。波紋を呼んでいる。
河野大臣は、訓練の前日に在日米軍から嘉手納飛行場でのパラシュート降下訓練に関するノータムが発出されたと説明した。これに「天候を条件として、嘉手納でパラシュートの降下訓練が度々行われている」と述べた上で、続けて「明らかにこのSACO合意に反することであり、SACO合意違反と言わざるを得ない」と、在日米軍の姿勢に反発した。
SACO合意においてパラシュート降下訓練は、基本的に伊江島で実施することで合意した。嘉手納飛行場での訓練は、やむを得ない事情などあった場合など、例外的な状況に限るものとしている。河野大臣は、嘉手納飛行場での降下訓練が今年に入ってすでに3回も行われていることに「重く受け止めている」とした。この度の訓練でも「少なくとも、しっかりとした説明がなされていない」という認識を示した。例外とすることで連続して訓練が行われる状況に「地元から理解をいただくというのは同盟を維持・強化していく上での最も基本的なこと」と述べて、地域の理解が得られない状況だとした。