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2019.11.06

WING

JAXA、NTTと地上-宇宙の光・無線通信インフラ共同研究

新たな社会インフラの実現向けて技術協力

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)とNTTは11月5日、地上と宇宙間を繋ぐ光・無線通信インフラに関する共同研究をスタートすることに合意したことを発表した。NTTの「IOWN構想実現に資する光・無線ネットワーク技術」と、JAXAの「宇宙機のシステム構築技術」との掛け合わせにより新たな社会インフラの実現を目指すとしている。
 共同研究では軌道衛星と地上局間通信の大容量化に向けた衛星MIMO技術の適用を目指す。この技術は無線通信におけるMIMO技術と、送信機と受信機の双方に複数のアンテナを用いて、同時かつ同一周波数で異なる情報を伝送することで、通信の大容量化を実現する技術。衛星通信では電波伝播環境が地上通信と大きく異なり、伝播距離が長く遅延量が大きくなるため、携帯電話や無線LANなどで実用化してきたMIMO技術をそのまま適用することが困難だったとのこと。そこでNTTとJAXAは共同研究において、NTTが保有する受信タイミング・周波数誤差が異なる複数信号を干渉補償して分離する技術と、JAXAが保有する低軌道衛星システム設計にかかる知見を組み合わせることで、低軌道衛星-地上局間における世界初の低軌道衛星MIMO技術を確立し、地球観測データなどの大容量データの超高速伝送の実現に貢献する。

 

光増幅技術の適用も共同研究を予定
NTTの位相感能増幅とJAXAの超高出力光増幅組合せ

 

次期衛星搭載の観測・通信デバイス実証も

 

※画像=NTTとJAXAが共同研究を通じて目指す世界観(提供:NTT、JAXA)