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2018.05.31

ウイングトラベル

2021年以降のハッピーマンデー存続を死守

観光関係者300人が昨年に引き続き決起集会

 観光関連団体6団体などで構成される「働き方改革など休暇制度を考える会議」は5月24日に集会を開き、2021年度以降のハッピーマンデー(祝日三連休化)の維持を求める決議文を採択した。当日は観光業界関係者約300人が集まったほか、林幹雄自民党幹事長代理・観光立国調査会会長や坂井学総務副大臣、中根一幸外務副大臣など11人の国会議員が出席したほか、岸田文雄自民党政務会長や茂木敏充経済再生担当大臣の秘書などあわせて40人が参加。計340人が出席した。会合では、地方創生の切り札や働き方改革の推進の観点から国民生活のさらなる向上のために祝日三連休維持に向けて一致団結して取り組む決意が示された。
 会議を主催するのは、日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟、日本旅館協会、日本観光振興協会の6団体。これに加えて、東日本旅客鉄道(JR東日本)、全日空(ANA)、日本航空(JAL)の交通関連企業も参加。また、地方からの声を代表して福島県の女将が参加した。
 同会議は昨年4月にも集会を実施し、ハッピーマンデー維持に向けた決議を行った。しかしながら、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開会式・閉会式における交通混雑などを避けるため、同年限定で海の日、山の日、体育の日を移動させる祝日法改正の検討が進む一方で2021年以降に海の日を固定させる動きが進んでいることを受け、改めて祝日3連休の重要性をアピールするために開催したもの。

 

 田川JATA会長「オリパラ成功と祝日固定化は別問題」
 地方創生、休暇改革、国民支持背景に制度維持を

 集会冒頭に観光団体を代表して田川博己JATA会長があいさつした。田川会長は「観光業界としても東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて祝日を移動させるという動きには賛同したい。しかし、2021年以降に海の日などの休日を固定化することは別問題である」と主張した。
 その上で「ハッピーマンデー制度は20年近くにわたり続けられ、日本各地への旅行機会として定着しつつある。われわれとしては、地方創生の切り札である点、働き方改革の議論が進む中で三連休の分断が休暇の機会を奪うという点、ハッピーマンデー制度が653万人の国民の署名と849の自治体の採択によりスタートした点という3つの観点から維持をお願いしたい」と訴えた。
 地方創生の観点からは「3連休は正月、GW、お盆休み以外の観光需要分散化という観点から有意義である。とりわけ海の日については大都市からの長距離旅行という点で大きな意味が生み出されている。これは航空機や地方の宿泊施設、地方のテーマパークで大きな効果が得られている」と述べた。
 働き方改革に関しては「1年のうち34.5%の構成比となっている祝日に年間旅行需要の83.5%が集中している状況だ。日本では、有給休暇の取得率がまだまだ高くない中で、飛び石連休では効果が薄れてしまうのではないか」と主張した。
 ハッピーマンデー制度が高い支持を得ている点については「特に20歳代の73.9%が好ましいと回答するなど若者の支持を獲得している。また、海の日を固定化することで、旅行消費で1000億円、生産波及効果で2000億円の経済損失効果が試算されているなど、経済や景気にも大きな影響を与えることとなる」と説明した。

 

※写真=今回の会議には国会議員、観光関連業界あわせて340人が出席した