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ANA、工場排ガス由来の燃料でデリバリーフライト
サプライチェーンの構築向けANAが主体に
全日空(ANA)は11月12日、製鉄所や製油所など工場の排出ガスを原料とした燃料を用いた新造機のデリバリーフライトを、去る10月30日に実施したことを発表した。このデリバリーフライトはボーイングの本拠地である米国ワシントン州エバレットから羽田空港に向けた飛行。三井物産と共同で実施した。
ANAは工場の排ガス由来のジェット燃料の活用について今年6月、米国のLanzaTech(ランザテック)社との間で、その購入について合意。ANAは2021年以降に、ランザテック社が米国で製造・供給する燃料を使用する計画だ。
このランザテック社は、CO2を含む工場の排ガスやバイオマス由来の合成ガスを原料に、“アセトゲン”と呼ばれるバクテリアを用いて嫌気性発酵を行って、エタノールを製造する、いわゆる「ATJ」(Alcohol to Jet)技術を有している。
今回のデリバリーフライトでは、ランザテック社の燃料を購入・使用するのみならず、製造所から輸送して、ブレンディングや品質検査など、一連のサプライチェーンを、ANAが主体となって行った。
ちなみにANAは既報のように、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が掲げる国内におけるバイオジェット燃料の商用化を念頭に置いたサプライチェーン構築に向けた検証において、三井物産、JXTGエネルギーと共同で参画することが決定済みだ。
※写真=工場の排ガス由来の燃料を使ってデリバリーフライトを実施(提供:ANA)