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2019.11.21

WING

日豪防相会談、空自「ピッチ・ブラック」参加へ

「武士道ガーディアン」定例化、防衛協力さらに深化

 河野太郎防衛大臣とオーストラリアのリンダ・レイノルズ国防大臣は11月20日、「日豪防衛相会談」を開き、2国間の防衛協力を前進させることで一致した。共同声明では、豪州で行う多国間の航空訓練「ピッチ・ブラック」へ航空自衛隊が参加することを決定。さらに、日本で今年9月に実施した日豪共同の戦闘機訓練「武士道ガーディアン」について、定例化することを決定した。
 ピッチ・ブラックは2020年に開催予定で、これに航空自衛隊が参加する。参加国は豪州、米国のほか、これまで欧州や周辺国も参加していて、参加航空機も100機を超えるなど、比較的大規模な演習となっている。
 共同声明ではさらに、装備品などの研究・開発についても、協力を強化する。防衛装備庁と豪州の国防省科学技術グループは、共同の防衛に関係する研究開発を深化させるため、防衛科学技術者交流プログラムを設立することとした。また、陸上自衛隊では、豪陸軍連絡将校の配置を進めて、さらなる協力強化および相互運用性の深化を図るとした。
 この度の日豪防衛相会談は、レイノルズ国防大臣が11月20日に東京を公式訪問したことで実現した。豪大臣にとって、初の東京訪問となった。会談では、インド太平洋地域の安全保障について意見交換した。この地域に働く力が一層困難な状況となっていて、その中で日豪によるさらなる協力強化が戦略的に必然であると強調した。日豪協力関係は、今年9月に武士道ガーディアンを初めて行ったほか、豪米共同訓練「タリスマン・セーバー」へ、日本が過去最大規模をもって参加したことなど、著しく進展したことを歓迎。そのため、2020年にもこの2国間の動きを更に拡大して、特別な戦略的パートナーシップを深化させる。自由で、開かれ、包摂的で、繁栄するインド太平洋地域へ貢献することが目的だとした。
 また、2国間で共有した目標を一致させる。今後数年、部隊訓練、人的交流、宇宙・サイバー、防衛科学技術を含め、防衛協力の加速化を確認した。そのため共同声明では、協力を進展させる取り組みについて、具体的に実施する施策が示された。

 

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