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ジャムコ、「Venture」ベースに次期スタンダードシート開発へ
ラバトリー初供給から40年、来春に次期ラバトリーコンセプト発表
ジャムコの大喜多治年社長は航空機シート事業において、「Ventureのプラットフォームをベースとした次期スタンダードシートの開発を進めていく」方針を明らかにした。ジャムコは今年10月、パラマウントベッドと共同で新しい航空機シートコンセプトを発表。医療・介護用ベッドの分野で培ったパラマウント・ベッドの技術・知見と、IoT技術を組み合わせるかたちで航空機シートに活用することを模索するなど、新たなシートの研究開発に余念がない。
ジャムコの「Venture」は、標準プラットフォームの活用とモジュラーデザインの導入したジャムコの航空機シート事業における今後の主力製品。KLMオランダ航空は今年6月30日、「Venture」を搭載した787-10型機を受領。ジャムコグループにとって、「Venture」を搭載した初めての機体となった。KLMオランダ航空は「Venture」を搭載した787-10型機に創立100周年の特別塗装を施しており、7月からキリマンジャロ、ダルエスサラーム線に投入している。
大喜多社長によると、「エア・ヨーロッパ社を始めとして、他数社からも(「Venture」の)受注を獲得している」としており、「Venture」を主軸としたシート事業の展開を加速していく考えだ。
ちなみに、ジャムコのシート事業は本来、宮崎ジャムコが中心だ。ただ、品質事案の発生を受けて、ジャムコ・アメリカへと生産の一部を移しており、現在はジャムコ・アメリカが中心となって生産を続けている。宮崎ジャムコのシート生産は今年5月には一部で再開しているが、未だ本来の生産能力を取り戻していない。
787減産、中期計画には若干の影響も
777X遅延、生産は予定通りで大きな影響なし
品質事案、「重く受け止め文化・風土改革を」
※写真=ジャムコは次期シートやラバトリーの開発を加速する。ボーイングプログラムの遅れや減産の影響は軽微なものとなるようだ。写真はジャムコのプレミアムシート「Venture」(提供:ジャムコ)