WING
ADO、中型機2機の退役時期を延期へ
東アジアなど国際チャーター計画、乗員不足対応加速も
AIRDO(エア・ドゥ)はこのほど、2018ー2020年度中期経営計画のローリングプランを策定した。このローリングプランで同航空は、中型機2機の退役時期を延期しつつ、今後導入予定の更新機材の導入計画と経年機の退役計画を策定する方針を固めた。加えて、基盤である国内線については路線の需要にあわせた機材投入を行うことで、生産基盤の安定化を図りつつ、生産量の拡大を目指す。一方、東アジアや東南アジア圏で国際チャーターを運航することを検討し、運航実績を積み重ねることで、将来的には国際線定期便運航に繋げていきたい考えを示した。
エア・ドゥにとって、大きな「誤算」と言えることがパイロット不足だ。パイロット不足は既に経営に打撃をもたらしており、2018年3月期決算の営業収入にも影を落とし、喫緊の経営課題となっている。路線ネットワーク維持にも影響を来たし、新千歳-広島線と新千歳-岡山線の撤退と、さらには新千歳-仙台と新千歳-中部線は減便に踏み切らざるを得なくなった。
こうした苦境にあるなかでまとめられたローリングプランでは、2018年度の営業収入は435億円、営業利益12億円、経常利益5億円、当期純利益3億円を見込む。計画最終年度の2020年度の営業収入は442億円、営業利益21億円、経常利益16億円、当期純利益11億円という成長を描く。
こうした数値目標を達成するためにも、やはり課題である運航乗務員確保を最優先に取り組まなければならない。そこでエア・ドゥとしては、事業継続の発展を支える人財の確保・育成に注力すると共に、社員一人一人が働き甲斐を感じる企業風土を醸成するため、職場の活性化を図る。
なお、2018年度の提供座席数目標を434万7000席に設定。19年度は2%増える442万4000席に、20年度もほぼ同水準の442万6000席を提供することを目指す。また、座席キロベースでみると、18年度は38億8600万座席キロ、19年度は39億5500万座席キロ、そして20年度は39億5700万座席キロを計画している。
※写真=AIRDOがローリングプランを発表。経営課題となった乗員不足の対応を加速する