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超低高度衛星「つばめ」、軌道遷移フェーズに
高度268kmへの降下完了は来年4月頃予定
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、超低高度衛星技術試験機「つばめ」(SLATS)の「初期段階フェーズを今年の3月に完了し、大気抵抗を用いて少しずつ軌道高度を降下させていく「軌道遷移フェーズ」へ移行したことを発表した。「つばめ」は昨年12月23日に打ち上げており、現在は高度380キロメートル付近の高度で順調に運用を続けているとのこと。小型高分解能光学センサ(SHIROP)、光学センサ(OPS)、そして原子状酸素モニタシステム(AMO)の3種類のセンサを用いて、観測活動を実施中だという。
JAXAによれば、今後も大気抵抗を用いて除々に高度を降下させていき、イオンエンジンを用いて軌道保持を開始する超低高度268キロメートルに到達するのは、来年4月頃になる見込みにあるとの見通しを明かした。
運用中のセンサのうち小型高分解能光学センサ(SHIROP)は、超低高度(200km〜300km)からの観測によって分解能を大幅に向上できることを技術実証するためのセンサ。JAXAでは今後更に「つばめ」の高度を下げることで、より精細な観測画像の取得を目指しているという。
※画像=超低高度衛星「つばめ」の外観(提供:JAXA)