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2019.12.09

WING

人工衛星セカンドキャリア生み出すプラットフォーム構築へ

来年度JAXAベンチャー設立も、22年度サービス開始視野

 人工衛星のセカンドキャリアを輝かせる―――。衛星の余寿命を使った新たなビジネスモデルが登場してきそうだ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の観測衛星の運用などに携わってきた人々が、「オポチュニティ」というチームを結成して、衛星の余寿命期間を活かしたビジネスモデルを立ち上げる。世界初となる中古衛星取引プラットフォームの構築だ。
 同チームの代表を務める市川千秋氏は、「2020年にJAXAベンチャーを立ち上げて、衛星の移管実証とプラットフォームを構築する」方針を明かした。その上で、「2022年からサービスを開始して、衛星の取扱い基数と種類を増加すると共に、サポートサービスの拡充を図っていく」としており、誰にでも開かれた循環型宇宙利用システムを構築することを目指す。
 宇宙空間で様々な用途に供されている人工衛星には、当然のことながら設計需要がある。その寿命を迎えた衛星は、後継衛星のバックアップとして、あるいは引退が待ち構えている。引退すれば昨今大きな問題となっている宇宙ゴミの原因にもなりかねない。
 一方、設計寿命を超えて稼動することが可能な衛星が多々みられる。一度打ち上げた衛星は修理することができないことから、頑丈な設計とすることが通例であるためだ。
 そこで市川氏らはこの衛星の”余寿命”に着目。・・・

 

衛星の余寿命を生かした中古衛星取引プラットフォームが検討。写真はJAXAのGOSAT-2(提供:JAXA)