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2020年の航空業界利益は293億ドルと予想
IATA、今年の利益見通しは259億ドルに下方修正
国際航空運送協会(IATA)は12月11日(ジュネーブ現地時間)、2020年における世界全体の航空会社の純利益は、293億ドルに達するとの予測を発表した。IATAは今年の純利益を259億ドルとの見通しを示しており、来年の航空業界の利益は、今年に比べて大きく改善する予測だ。ちなみに、2019年の純利益予想は6月の段階では280億ドルと試算していたが、この6月予想よりも利益は21億ドル減と、大幅に縮小して着地する見通しだ。一方、2020年の売上高は、2019年の8380億ドルから4%増加する8720億ドルに達すると予想した。
IATAは来年の旅客需要について、47億2000万人に達すると予想。2019年の45億4000万人から、およそ2億人近く増加する見通しだ。旅客需要を表すRPKの成長率は年平均で4.1%とみており、これは2019年の4.2%とほぼ同水準の成長を見込む。ただ、長期トレンドからみると、そのトレンドを下回っており、依然として成長の力強さは期待できなさそうだ。
座席供給量を表すASKは2019年に3.5%拡大したものの、2020年には4.7%の成長を見込む。これは機体納入数が大幅に増加するためで、これによりロードファクターは2019年の82.4%から82%に低下するとみている。
貨物取扱量は6240万トンと予想しており、今年の6120万トンから2%増加すると予測しており、わずかながら回復するとみている。
IATAによれば、2019年の貨物需要は、世界金融危機によって大打撃を受けた2009年以来、最も急激な需要の減退であったことに言及。2018年の6330万トンの取扱量から、3.3%落ち込んだことを明かした。依然として米中貿易戦争という大きな火種を抱えているが、2020年は前述したように2%拡大すると予想。ただ、それでも2018年の実績を下回る予想だ。
波乱に富んだ2019年、航空業界の成長にブレーキ
ジュニアックCEO、「今年は経済サイクル底辺。来年はやや明るい」
※写真=厳しい環境が渦巻いた2019年を振り返ったIATAジュニアックCEO。来年は今年に比べてやや明るい光が差すことが期待されそうだ(提供:IATA)