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2019.12.16

WING

ANA、羽田・成田のデュアルハブ戦略深化へ

オリパラ後見据えて成田3本目の滑走路に期待高まる

 ANAホールディングス(ANAHD)の片野坂真哉社長と全日空(ANA)の平子裕志社長が12月13日に会見に臨み、あらためて羽田・成田のデュアルハブ戦略を推進していくことを強調した。平子社長は「成田空港、羽田空港では発着集中時間帯(バンク)が異なっていた。その時間帯の違いを上手く活かしたデュアル・ハブ&スポークを確実に実行していくためにも、羽田・成田の活用余地は大きい」と話した。その上で、「これから先需要の大きな路線は羽田と成田双方から飛ばす戦略が良いだろう。そうではない路線は羽田から飛ばす路線、成田から飛ばす路線として、我々のマーケティング能力を最大限活用して使い分けていきたい」とし、羽田・成田両空港の機能と特徴を活かしたデュアルハブ戦略を深化させていく方針を示した。
 ANAは去る11月19日、来年夏ダイヤからスタートする羽田空港国際線発着枠増枠の新規就航・増便計画を発表。このなかで羽田空港から新規に12路線の就航を表明しており、一方で成田空港からの一部路線の移管も表明した。こうなると気になるのは相対的な成田空港の地位低下だが、一方で片野坂社長、平子社長ともに、成田空港に対して大きな期待を寄せている。
 「羽田空港の次の(発着枠の)拡張は、新しい滑走路を整備しない限りは難しいだろうと言われている」(片野坂社長)との認識を示しつつ、成田空港は3本目の滑走路の建設が地元との間で合意されるなど、その建設に向けた動きが加速していることにも触れた。「東京オリンピック・パラリンピックを終えた先には、成田空港の発着能力拡大というものが近づいてくる」とした。
 また、平子社長は787ドリームライナーなどの登場で、航空機性能の向上によって超長距離を運航することができるようになり、市場の細分化が進んでいることに言及。
 「これまではハブ&スポークで、ハブ間で大量輸送をしてそこから小さな飛行機で運ぶということだったが、いまはダイレクトに中型機でノンストップで飛ばすことが起きている」とし、「成田はますます成長していくだろうが、同じようなことになるとみている」との見解を示した。
 「これまではニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコなどの大都市に飛ばしていた航空機を、787型機という機体を利用して、もう少し需要の小さなところに飛ばす。そうしたところにネットワークを張ることによって、東南アジアとの需要を図っていく、あるいは国内線との接続を図っていくなど、需要を創造する可能性はあると思う」とし、成田空港国際線の接続需要、さらには際内乗り継ぎの研究を深掘りしていく考えを示した。

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