WING
小型航空機の操縦技能審査でチェックリスト活用
安全性向上へ抜き打ちアルコール検査も実施
国土交通省航空局は、小型航空機などの安全性を向上させるため、今後は特定操縦技能審査の内容・手法の平準化に向けて、審査員に対して標準的チェックリスト活用を進めるとともに、指導監督強化を図る。審査については、効果的な審査内容・手法の検討および見直しを図っていく。また自家用航空機の運航者に対する飲酒対策を強化するとして、アルコールに対する正しい理解を促進させ、国管理空港での抜き打ちアルコール検査などの実施を計画する。さらに、簡易型飛行記録装置(FDM)を搭載する実証実験を2020年度にも継続。さらに簡易かつ安価な飛行記録装置の検証を行う予定だ。
それらの取組計画は、去る12月12日に開かれた第7回の「小型航空機等に係る安全推進委員会」で示されたもの。近年は、小型航空機による航空事故が頻発する傾向にあって、2016(平成28)年12月から同委員会が開催され、これまで年2回程度、小型航空機の安全性を高める取り組みや方向性など議論してきたところ。小型航空機による航空事故は、2019年には7件発生して、そのうち1件は死亡事故だった。これは委員会発足後最も発生件数が少ない年。近年最も件数が多かったのは2015年の24件でそのうち死亡事故が5件だった。以降は2016年が11件のうち死亡4件、2017年が19件のうち死亡7件、2018年が11件のうち死亡3件となった。そのため、委員会ではこれまでの取り組みの効果が表れたと見る向きも示されたが、関係性については、さらなるデータ収集など、より分析が必要だとしている。
※写真=第7回「小型航空機等に係る安全推進委員会」の様子