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2019.12.19

ウイングトラベル

今年の出国者2000万人超え、微妙な情勢

田端観光庁長官「年末の出国でなんとか達成を」

 観光庁の田端浩長官は12月18日の業界紙会見で今年の日本人出国者数の2000万人達成について「中国路線を始め、冬ダイヤで増便した分でいかにプラスに持っていくことができるかがカギとなる」とした上で「目標の1年前倒しということで産業界が取り組んできただけに、年末の出国でなんとか実現したい」と年内達成に期待を寄せた。一方、訪日外国人旅行者数に関しては「昨年の3119万人は上回ると考えているが、ここから年末までにどのくらい積みあげられるかというのが焦点となる」とした。その上で2020年の4000万人実現のカギは「地方への分散」と強調。来年から地域と時期分散に徹底した新たな訪日プロモーションに取り組んで行くことを明らかにした。
 11月の出国日本人者数は前年同月比1.9%減の167万3465人となり、今年初の前年割れとなった。これにより今年1〜11月の累計では1836万8300人となった。仮に12月が昨年同様の162万9350人と同水準となった場合、年間トータルでは1999万7650人となり、2000万人まで2350人足りない計算となる。
 田端長官は11月の出国日本人について「欧州は好調に推移したようだが、韓国と香港への需要の落ち込みが響いた」と指摘した。12月については、「航空便の冬スケジュールで増便した分でどのくらいプラスに持って行くことができるかという点。そして最大9連休となる年末年始の休暇で年内にどのくらい出国するかが気になるところだ」とした。観光庁によると、年内最終週の出国状況はギリギリまでわからないとのことで、12月31日まで予断を許さない状況が続きそうだ。

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※写真=業界紙との会見に応じる観光庁の田端浩長官