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H3ロケットのエンジン部構造強度試験を実施
打上げ前の全質量、飛行中の全推力を受ける部分
宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこのほど、H3ロケット最下部に当たるエンジン部の構造強度試験が本年4月から始まっているとして概要を明らかにした。エンジン部は機体の後端に位置しており、打上げ前はロケットの燃料を含めた機体全体の質量を支える。飛行中はエンジンおよび固体ロケットブースタの発生する全ての推力を受ける。このため非常に大きな荷重が複雑に負荷される構造部位となっている。強度試験では実機と同等の強度試験供試体を製作して、これらの荷重を慎重に負荷しながら、構造の変形や歪みを詳細に計測して、設計どおりであることを確認して行くことになる。
さらにエンジン部を第一弾として、燃料タンク、タンク結合部、第1段と第2段の結合部といった構造部についても地上での強度試験を進めて行く計画だ。
H3ロケットでは構造部の設計、製造に新技術を取入れ、打上げ時の厳しい荷重、振動、熱に耐え、より低コストで軽量かつ高信頼性の構造を目指して開発を進めているとしている。
※写真=エンジン部の位置(左)と強度試験用供試体、荷重付加のための架構の様子(提供:三菱重工/JAXA)