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2020.01.10

WING

エムティーアイ、3D描画技術で航空気象現象可視化に挑戦

航空気象サービス市場の拡大、2023年には426億円市場に

 エムティーアイは航空気象サービスに注力する。同社の小池佳奈氏は「航空気象サービス市場は、2017年に市場規模が260億円規模だった。2023年にかけて426億円にまで拡大するだろうというシミュレーション結果がある」ことに言及。航空需要の拡大と共にフライト数が増大しているほか、乗客の安全に対する関心の高まり、エアラインの業務効率向上に重点が置かれるようになっていることが、市場拡大の大きな理由であるとの見方を示した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が12月に主催して開催した「WEATHER Eye」シンポジウムで明らかにした。なおエムティーアイは昨年11月、航空気象システム「ARVI(アーヴィー)」を開発し提供することを発表している。
 小池氏によれば、航空会社と意見交換をしているなかで、フライト数増加に伴い、1人のパイロットが1日に乗務する回数が増加傾向にあることに触れつつ、「フライト間の時間が限られるようになってきており、最新の気象状況を確認することができる時間が非常に短い時間になっていることがわかった」とのこと。さらに、航空事故の発生や運用効率悪化には、気象が深く影響していることが多く、「そうした課題に対してARVIという気象サービスを通じて、安全運航と効率運航に影響するような最新気象情報を迅速に確認することができるようにする」として、同社の得意とする技術の一つである3D描画の可視化技術を活用して、航空気象分野に新たなソリューションを提供することを目指す。
 エムティーアイはもともと「music.jp」、「ルナルナ」などといった個人向けのスマートフォンアプリを手掛けてきた。そうしたなか昨今ではBtoGやBtoBビジネスの拡大を図っており、その一環として航空会社向けの航空気象サービスの開発にも着手した。
 気象情報サービスとしてエムティーアイは、BtoC分野において天気や交通情報の生活情報まとめた「ライフレンジャー」のほか、ゲリラ豪雨検知アプリ「3D雨雲ウォッチ」といった気象に関連するサービスを展開。BtoB事業の拡大を図るなかで、これまでの知見を活かし、BtoB事業の航空気象サービス市場が拡大しているとして、この領域へと足を踏み込むことを決めた。
 小池氏は「ARVIによって、・・・

 

竜巻進路予測表示で気象研から研究委託も

 

JAXAと航空機誘発雷の予測技術

 

※画像=エムティーアイは得意の3D描画技術でエアライン向けの新たな航空気象サービスソリューションを開発する。画像はARVIの画面イメージ(提供:エムティーアイ)

※画像=鉄道・航空事業者向けの竜巻等突風の進路予測結果表示システムの研究開発にも取り組む(提供:エムティーアイ)

※画像=JAXAが研究を進める誘発雷の予測にも協力する(提供:エムティーアイ)