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2018.06.07

ウイングトラベル

OTOAが通常総会開催、18年度事業計画を承認

旅行の安全と質向上に対して全力で活動を

 日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は6月6日に通常総会を開催した。総会では2017年度の活動報告、収支決算に関する報告が行われたほか、2018年度の事業計画案、収支予算案の審議が行われ、原案通り承認された。18年度は安全対策事業、研修事業、情報収集・広報事業、調査研究事業、ホームページ事業、インバウンド事業、連絡協調事業の7つを中核に据え、良質なサービスの提供や業界の発展、海外旅行需要喚起に向けてさまざまな取り組みを推進していくとした。また、平山芳昭理事が一身上の都合で退任することを受けて、役員交代について審議を行い、国土交通省出身の寺西達弥氏を新たに理事とすることを承認した。
 総会冒頭であいさつした大畑貴彦会長は「昨年の日本人海外渡航者数は2年連続で前年を上回り、今年もヨーロッパや近場のアジアを中心に回復基調が顕著となってきた。OTOAとしても昨年来、業界が協働して取り組んでいる様々施策に参画し、海外旅行の需要回復に取り組んできた。また、消費者保護の観点から旅行代金の早期支払いに関して一定の歯止めがかかったことが大いに評価したい。さらに今年施行された旅行サービス手配業の登録制度の検討を通じランドオペレーターの役割と責任についての理解と認識が非常に深まった。そうした状況などを踏まえ、われわれを取り巻く環境はめまぐるしく変わっている。しかしながら、いかなる状況でもわれわれにとって旅行の安全と質の確保は変わらない。このことを念頭に今年度も役員一同、何事にも全力で取り組んでいく」と述べた。
 また、来賓として出席した観光庁の黒須卓参事官は「旅行業界を取り巻く環境は大きく変化している。そうした中で、業界の適正なビジネス推進ができるよう支援を行っていきたい。また、来年1月からは国際観光旅客税が導入される。新税では海外旅行の促進に向けて、旅行者の安全・安心が担保できるような取り組みに活用していきたいと考えている。また、今年1月からはランドオペレーターの登録制度が開始され、当初われわれが把握していたものを上回る728件の登録が行われている。今後はさらなる業界の発展に向けて、OTOAのみなさまからの協力をお願いしたい」と語った。
 2018年度の主な事業計画としては安全対策関連として安全管理や法令遵守の再確認と徹底を図る。また、都市別安全情報については追加・調査都市の見直しに適宜対応し、日本人旅行者の安全確保に極めて有効かつ質の高い情報を提供できる体制を構築する。
 研修事業に関しては、ランドオペレーター初心者向け研修を引き続き実施する。また、会員から要望が出ている旅行業法、約款などの基礎研修についても実施を行っていく。このほか、諸外国の政府観光行政官や海外観光関連事業従事者に対する教育・研修についても実施する。
 ホームページ事業関連では、すでに海外新着情報の発信を開始している公式フェイスブックやツイッター公式アカウントの有効活用の検討を行うほか、旅行業界関係者にも役立つコンテンツの拡充に取り組んでいく。
 調査・研究事業では、昨年のてるみくらぶの大型倒産を受けて消費者保護に関して業界団体が指針を示したことを受け、これの適切な実施に関して定期的に確認していき、問題などがある場合には関係団体に改善を求めていく取り組みを進めていく。
 インバウンド関連では、旅行サービス手配業の登録制度開始にあわせて、取扱管理者の研修機関として登録したことから、研修に関する一連の取り組みを進めていく。また、インバウンド専業ランドオペレーターの入会の是非については引き続き検討していく。
 連絡協調事業では、観光庁、外務省など関係省庁との連携についてこれまで同様に積極的に取り組んでいく。また、観光関連団体や駐日外国大使館・政府観光局への協力については、アウトバウンド・インバウンド関わらず積極的に協力していく。また、地域分科会との連携も引き続き需要喚起に向けた活動に力を入れていく方針だ。

※写真=OTOAの幹部、写真左から荒金孝光副会長、大畑貴彦会長、山義則専務理事、ゲライント・ホルト副会長