ウイングトラベル
ANAHD第3四半期、羽田増枠費用増で増収減益
新型肺炎で2月中国線予約4〜5割減、通期影響も
ANAホールディングス(ANAHD)の2020年3月期第3四半期決算(2019年4月1日〜12月31日)は、堅調な国内線旅客需要と国際線ネットワーク拡大の影響で旅客数が増加したため、売上高が前年同期比0.9%増の1兆5821億円となった。一方で、安全・品質サービスの向上と、首都圏空港の発着枠拡大に備えた生産連動費の増加で、営業費用が3.6%増の1兆4625億円になった。そのため利益面では、営業利益が23.6%減の1196億円、経常利益が20.5%減の1225億円となって、四半期純利益が19.1%減の864億円となった。
福澤一郎取締役執行役員は1月30日の決算会見で、1月末に流行が拡大している新型肺炎の影響について、「深さ、長さが不確定」のため、この度の第3四半期決算で通期予想の見直しを行っていないとして「事態の推移を冷静に見ていきたい」と説明した。運休している武漢線は、国際線全体の1割弱であるため、運休影響は限定的とのこと。従来予想の、売上高前期実績比316億円増の2兆900億円、営業利益250億円減の1400億円、経常利益196億円減の1370億円、当期純利益167億円減の940億円と据え置いた。
航空事業、生産連動費増など営業利益24.9%減
国際線旅客、中国系キャリアと競争激化で単価減
国内線、ビジネス需要堅調、旅客収入3.5%増
訪日の国内移動獲得、プロモで数取り収入増へ
統合完了のLCC事業、台湾や韓国低調で減収
旅行事業、「旅作」が好調で41.5%増益
旅行事業は、国内・海外ともにインターネット販売商品で集客が好調だったため、売上げが3.4%増の1192億円、営業利益が41.5%増の19億円となった。国内旅行では、店頭販売のANAスカイホリデーの取扱い減少や、台風影響のキャンセルなどがあったものの、ダイナミックパッケージ旅作が好調で、売上げを伸ばした。海外旅行は、販売を強化するハワイ方面を中心としたANAハローツアーや、旅作の集客が好調だったため、売上げが前年同期を上回った。
※写真=決算会見で説明する福澤一郎取締役執行委員