WING
エアバス、全翼機の技術実証スケールモデル公開
今年第2四半期末まで飛行試験を実施中
エアバスは2月11日(シンガポール現地時間)、全翼機の技術を実証するためのスケールモデル「MAVERIC」(Model Aircraft for Validation and Experimentation of Robust Innovative Controls)を公開した。全長2メートル、全幅3.2メートルの「MAVERIC」の表面積は2.25平方メートル。エアバスは既存の単通路機と比較して、燃料消費量を最大で20%削減する可能性があるとしている。
将来の旅客機の姿は、全翼機になるかもしれない---。旅客機の形は半世紀以上もの長きに亘り、おおまかに言えばその形を変えていない。CADを使った細部に亘る空力設計の改良、翼端デバイスの装着、そして何よりもエンジンやソフトウェアの改良などによって、航空機は安全性、効率性を向上するなど、進化させてきた。ただ、一方で航空機の理想的な姿を追い求める技術者たちの夢は留まることを知らず、その形状の一つが全翼機だ。
エアバスによると、「MAVERIC」プログラムは2017年にローンチ。2019年6月に初飛行を達成した。以来、飛行テストを継続しており、2020年第2四半期末(4-6月)まで続く見通しだ。
エアバスのジャン-ブライス・デュモン氏は「サービスへの参入に関する特定のタイムラインはない」としながらも、「この技術デモンストレーターは、航空業界の環境的に持続可能な未来のために民間航空機のアーキテクチャに変化をもたらすのに役立つ可能性がある」ことを強調した。
※写真=エアバスが公開した全翼機の技術デモンストレーター(提供:エアバス)