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2020.02.19

WING

陸自高等工科学校、サイバー専修コースを新設へ

21年度から、C言語やUNIX基礎などを教育予定

 陸上自衛隊および高等工科学校は2月17日、サイバー人材育成のために在校学生に対し実施している「システム・サイバー特別講座」の教育風景を報道陣に公開した。
 陸自は2020年(令和2年)度予算で、通信学校および高等工科学校におけるサイバー教育に係る体制整備を行うとしており、通信学校には3自衛隊共通のサイバー教育を行う「サイバー教官室(仮称)」を新設。高等工科学校には「システム・サイバー専修コース(仮称)」の準備室を設置して、2021年度から新設することを目指している。
 高等工科学校のシステム・サイバー教育としては2020年2月現在、全学年を対象にコンピュータの動作原理やプログラミング、情報セキュリティなどの教育を行っており、さらに今回公開した「システム・サイバー特別講座」を月2回、3学年(3年生)の希望者を対象に行って、C言語を教育しているところ。2021年度からは3学年で選択する専修コースとして、前述の「システム・サイバー専修コース(仮称)」を新設してサイバー人材を育成していく考えだ。この専修コースの教育内容については、まだ内容等は検討しているところとのことだが、「C言語やUNIX基礎、データベース基礎については教育内容に含ませようかと考えている」と述べ、「現在行っている特別講座よりはソフトウェア面を強化する形で考えている」と説明。「将来的にはサイバー対策のスペシャリストを排出できるようにしたい」との想いを語った。さらに、教育で目指す到達レベルとしては、「市販の入門書籍程度は理解出来、通信学校でのサイバー関係の教育に参加できるレベル」を考えているとした。
 また、高等工科学校教育部長の久守直紀1等陸佐は「システム・サイバー専修コース(仮称)」の新設について、「サイバーという新しい分野で、若いうちから関心・視点を持つのは大事」として、「新しく立ち上がる部隊の基幹となる様な人材を1人でも多く育てられればと思う」と語った。また、「サイバーに限らず、幅広い教育の中で様々な基礎を身に付けさせたい」とも述べて、サイバー分野に限らず多くの分野で技術的な識能を有する陸上自衛官に相応しい人材を育成していく考えを述べている。・・・

 

※写真=公開された「システム・サイバー特別講座」の様子。約20名の生徒が課業外の自習時間を活用してC言語を学ぶ

※写真=教官は自衛官が担当。専修コースでも自衛官が教官として教える予定だ

※写真=高等工科学校教育部長の久守直紀1等陸佐

※写真=陸上自衛隊のサイバー分野を支える人材を輩出すべく、高等工科学校は「システム・サイバー専修コース(仮称)」を新設する