ウイングトラベル
持続可能な観光立国の実現へ活発な議論
サービス連合が観光政策フォーラム開催
サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は2月25日、東京都千代田区の神田明神ホールで「観光政策フォーラム」を開催した。当日は労働組合や業界団体、観光関係企業などから約200人が参加した。今回は「持続可能な観光立国に向けて」をテーマとし、日本が観光立国実現を果たすために求められていることに関して、災害への対応やSDGs(持続可能な発展目標)への観光への貢献、観光人材の育成・活用などさまざまな観点から議論を行った。
サービス連合の観光政策フォーラムは、これまで取りまとめてきた「観光立国実現に向けた提言」やサービス連合の重点政策を社会に向けて幅広く発信することにより社会との関わりをさらに強め、サービス・ツーリズム産業で働く者の地位の向上と産業の健全な発展に寄与することを目的に実施しているもので、今回で5回目の開催となる。
フォーラム冒頭でサービス連合の後藤常康会長は「昨年の相次ぐ自然災害、さらに直近の新型コロナウイルスの問題など観光を取り巻く厳しい状況が続いている。ただ、昨年は訪日外国人旅行者は3118人、日本人出国者は初の2000万人を突破するなど、観光立国実現に向けさらなる期待が寄せられるところだ。今回のフォーラムでは持続可能な観光の発展に向けて考えていき、観光がより多くの可能性を秘めていることを感じてもらいたい」と述べた。
※写真=フォーラム冒頭であいさつするサービス連合の後藤常康会長
稼げる観光戦略構築と旅行者体験の最大化を
デービッド・アトキンソン氏が基調講演
基調講演は小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン氏が「持続可能な観光立国に向けて〜これからの観光産業に求められるもの〜」と題して講演を行った。
アトキンソン氏はいま観光戦略に力を入れる必要がある理由として「人口減少と生産性向上への対応の1つとして重要な取り組みである」と前置きした上で「訪問する人の数ではなく、収入と生産性を考えて単価を上げるということが重要だ。そうした中で稼ぐ観光戦略をどうしていくのかということが大きなポイントとなる」と強調した。また、「一時的な目標のために訪問客数ありきで戦略を策定するとオーバーツーリズムの危険性が高くなる」と指摘。人数に重きを置いた観光戦略を策定することに対して警鐘を鳴らした。
トークセッションでは災害とSDGsの対応議論
災害対応では正確な情報収集や適切な需要喚起策を
持続可能な産業実現へ魅力的な業務環境構築を