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2020.03.03

WING

SUBARUブランドの空飛ぶクルマは誕生するか?

「来るべき時代に対応」、要素研究を加速

 SUBARUは、空飛ぶクルマとして注目を集めている将来モビリティの秘めた可能性に期待を寄せている。SUBARUで空の分野を担う航空宇宙カンパニーが、将来モビリティに関して必要な技術に関して検討を行っていることを明らかにした。航空宇宙カンパニー技術開発センターの荻巣敏充研究部長が本紙の取材に応じて、将来モビリティについて「現段階で会社として事業化するかどうかなど、正式には何も決定していない」とし、先の市場がまだまだ読みにくい状況にあるなかで、事業化判断は下していないことを強調。一方で「来るべき時代には、我々も対応していく必要がある。我々は自動車、航空、双方の分野で事業展開を行っており、社会的にみても取り組むことが出来る可能性がある立場にいる」との認識を示し、将来へ向けての要素研究が重要であるとしている。
 空飛ぶクルマの市場規模は、2040年には世界全体で約170兆円にも達すると予測(モルガン・スタンレー予測)されており、この巨大な市場を取り込もうと、様々な企業が参入を表明、あるいは参入の検討をしている。シンガポールやドバイなど、国や都市を挙げた取り組みとしているところもみられる。
 日本では2018年に官民協議会が設置され、同年12月に「空飛ぶクルマの実現に向けたロードマップ」を策定。さらに、同じ年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の航空機電動化(ECLAIR)コンソーシアムも発足しており、SUBARUは、官民協議会、コンソーシアムいずれのメンバーでもある。ちなみに官民協議会が策定したロードマップでは、2019年から試験飛行や実証実験などを行い、2023年を目標に人を乗せるのではなく、無人の物流用途などとして事業をスタートさせ、2030年代から空飛ぶクルマの実用化をさらに拡大することを目指すことが述べられている。・・・

 

自動車並みの低コスト化も鍵

 

※写真=SUBARU航空宇宙カンパニー技術開発センターの荻巣敏充研究部長