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2020.03.11

WING

9日北発射のミサイル分析、固体燃料で飛翔

2日発射と同系統、新方式の開発推進に警戒

 防衛省は3月10日、北朝鮮が前日9日に発射した飛翔体について、固体燃料推進方式による弾道ミサイルとの見解を示した。これは去る2日に発射されたものと同系統のミサイルとのこと。北朝鮮東部の宣徳(ソンドク)付近から北東方向へ、少なくとも2発が発射された。同ミサイルは、スカッドミサイルの軌道よりも低い高度100キロ以下を最大約200キロ飛翔したという。
 10日の閣議後会見で河野太郎防衛大臣は、北朝鮮が低弾道でのミサイル発射を繰り返し行っていることについて、「新たな技術の獲得を企図していると考えている」と見解を述べた。そのため、いぜん日本や国際社会に対する脅威であり、脅威度は「むしろ強まっている」と述べて警戒感を強めた。
 また今年に入って、2週連続の発射となった。さらに防衛省では、最近の北朝鮮のミサイル発射について、2発以上の発射の可能性も指摘している。これに河野大臣は「少なくとも2発の弾道ミサイルが発射された」とした上で、その他に多連装ロケットなどの併用についても可能性があるという。また、北朝鮮側は意図して発射間隔を短くしていることに言及。手の内を明かすとして、詳細な分析状況には言及しなかったが、急いで分析を行っているところだとした。
 また河野大臣は、繰り返し北朝鮮が行う弾道ミサイルの発射について、安保理決議に違反し、日本として「看過できるものではなく、日本並びに国際社会の平和と安全を脅かす」ことを強調した。さらに各地で猛威を振るう新型コロナウイルスが北朝鮮内部にも蔓延している情報に関心を示し、その状況について分析を進める考え。瀬取り対応を含め関係各国と連携して取り組んでいく姿勢を改めて示した。
 北朝鮮が9日に発射したと見られる短距離弾道ミサイルは、北朝鮮が超大型放射砲と呼ぶもの。TELからの発射で、筒状のキャニスターを持つ。飛距離は約400キロと見られ、これまでの発射は、2019年8月24日、9月10日、10月31日、11月28日、2020年3月2日に確認している。ここ最近で最も発射回数が多い。
 そのほか、最近頻繁に発射される弾道ミサイルには、・・・

 

※図1=防衛省が示した北朝鮮が9日に発射したミサイルの飛翔距離(提供:防衛省)

※図2=北朝鮮が超大型放射砲と呼ぶ、今回発射の短距離弾道ミサイル(提供:防衛省)