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2020.03.16

WING

相馬二工場、IBR第4ラインが20年度後半完成

旺盛なPW1100G-JM需要対応を加速

 IHIは相馬第二工場内にあるPW1100G-JMエンジン向けのIBR(Integrated Bladed Rotor:統合回転翼)生産ラインを拡充する。航空・宇宙・防衛事業領域生産センター相馬第二工場長兼相馬事業所長の高橋良二所長が明らかにした。高橋所長によれば、「現在第4加工棟内に、新たに第4ラインを構築することを進めている」としており、「この第4ラインは2020年度後半に完成する」計画にあるとした。IHI相馬事業所は旺盛なPW1100G-JMエンジン需要への対応を、一層強化する方針だ。
 様々なシンクタンクなどの機体需要予測をみても、今後20年間の新造機需要は各予測数値にバラつきはあるものの、概ね約4万機見込まれており、世界の空を飛び回る運航機体数は現在に比べて「倍」に膨れ上がる。需要の牽引役となるクラスの機体が単通路機で、なかでもエアバスが開発したA320neoファミリーは世界中で高い人気を博している。そのA320neoファミリーに搭載するエンジンが、IHIが国際共同開発プログラムに参画しているPW1100G-JMエンジンだ。
 IHIはPW1100G-JMエンジンプログラムにおいて、日本航空機エンジン協会(JAEC)メンバーとしてファン、ファンケース、低圧圧縮機用IBR、そして低圧シャフトの製造を担当。航空・宇宙・防衛事業領域の各工場で部品製造・組立を担っており、高橋事業所長が所管する相馬第二工場では低圧圧縮機用IBR(Integrated Bladed Rotor:統合回転翼)といった部品の生産を担当している。

 

IBR翼面仕上げの自動化着手
IBRライン生産性向上で様々な施策

 

GE9X部品生産、19年度は月産2台
大きな問題生じず堅調にライン構築

 

相馬第二工場におけるIQファクトリーの今
一部適用も未だ道半ば、取り組みの深掘りも

 

将来見据え大型エンジン対応
更新期に機械サイズアップ検討

 

次の時代見据え次世代加工・生産に挑戦

 

※写真=取材に応じたIHI航空・宇宙・防衛事業領域生産センター相馬第二工場長兼相馬事業所長の高橋良二所長

※写真=旺盛な需要に対応すべく相馬第二工場ではIBRラインを拡張する。第4ラインが今年度後半にも立ち上がる。写真は既設のPW1100G-JMのIBRライン

※写真=相馬工場は将来を見据えて旺盛な需要対応を加速する

※写真=所内で独自に工具を製作することも可能。相馬事業所の大きな強みだ