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2020.03.23

WING

連邦政府への金融支援要請巡りボーイング取締役会に亀裂

前・米国国連大使のヘイリー氏辞任、新体制に早くも揺らぎ

 737MAXと新型コロナウイルス問題が直撃しているボーイングの新体制が、発足から2カ月ほどで早くも揺らいでいる。今年1月に社運を懸けた立て直しに向け、デイビット・カルフーン最高経営責任者(CEO)の下、新体制が発足したばかりのボーイング。しかしながら米国の前国連大使・ニッキー・ヘイリー氏が、取締役会メンバーを辞任することを表明した。
 ヘイリー氏は、ボーイングが連邦政府に対して行った金融支援要請を批判。一方、ボーイング取締役会はヘイリー氏の取締役辞任について、「我々は彼女の取締役会における活動に感謝し、彼女の幸運を祈る」との声明を出し、取締役辞任を認めた。

 

カルフーンCEOら年内の給与受領せず
株配当や自社株買いも停止

 

 そうしたなかボーイングは3月20日(米国シカゴ現地時間)、新型コロナウイルスの感染拡大問題が長期化する様相にあるなど、この危機を乗り越えるべく、カルフーンCEOとラリー・ケルナー会長が、今年中の全給与を受け取らない決定を下した。さらに、株の配当についても、別途通知するまで見送ることにした。
 また、ボーイングはこれまで株の買い戻しを進めてきたが、連邦政府に対する金融支援を要請した時には一部で批判も根強かったことなどから、自社株買いプログラムも停止することを決めた。
 ボーイングは業務を維持し、スタッフおよび顧客をサポートし、サプライチェーン継続性を維持するために、すべてのリソースを活用することを表明している。

 

※写真=ボーイングの新体制に早くも揺らぎ。前国連大使のヘイリー氏が辞任。ボーイングは新型コロナウイルスの危機対策強化にも乗り出した(提供:ボーイング)