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2020.04.10

ウイングトラベル

JATA、7月以降の旅行需要復活へ準備

大規模キャンペーンや感染拡大防止策構築など 

 日本旅行業協会(JATA)は4月9日に行った定例記者会見で、今後の旅行需要回復に向けて7月から年内いっぱいにかけて集中的に取り組みを進めていくための準備に取り掛かっていくほか、旅行実施に向けた指針作りに着手し始めたことを明らかにした。JATAの越智良典理事・事務局長は「なんとか感染拡大につながらない形で、安心して楽しみながら旅行を実現できるように観光庁を始め、政府とともに考えていきたい。また、海外旅行についても、対策を講じながら、なんとか来年初めには世界中から自由に往来することができる環境が実現することを望みたい」という考えを示した。

 

 雇用調整助成金要件緩和、企業救済へフル活用を
 修学旅行の取消料補助金付与方針を評価

 JATAは新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けている観光関連業界の回復に向けて「雇用調整助成金の要件緩和をはじめとした経営継続支援の強化」「修学旅行の延期による実施と学校側への取消料の財政支援」「旅行消費の消失を取り返せるような大規模な需要回復キャンペーンの実施」「業界による自主的な感染防止策を条件とした旅行・イベント自粛要請の緩和」「国際交流をよみがえらせるための出国時の検温、健康チェックなどの国際的な仕組みづくり」の5点を要望した。
 経営継続支援の強化については、先日政府から発表された緊急経済対策で雇用調整助成金の助成率引き上げや支給限度日数の拡大をはじめとした特例措置の拡大が行われたところ。これに対して越智事務局長は「この仕組みをフルに活用すれば相当数の救済ができるのではないかと考えており、会員企業にも積極的に手続きを行うように求めている」とした。
 修学旅行関連についても先日閣議決定された補正予算案で、修学旅行延期にともなう取消料の補てんが計上されたことで「われわれからの要望が通った形となった」との認識を示した。

 

 安全・安心の旅行環境づくりへ観光庁と指針作り
 専門家の意見交えて最善の方法を模索
 海外旅行、年明けには全世界の往来実現へ
 新型コロナの状況見極め、交流の多い地域から順次

※写真=記者会見で今後の旅行需要復活に向けた方向性などを説明する日本旅行業協会の越智良典理事・事務局長(写真右)と池畑孝治調査役