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防衛省、米軍機模擬弾落下事故はパイロット起因
僚機SPI正しく選択できず、米教育徹底で再発防止
防衛省は4月13日、2019年11月6日に発生した在日米空軍三沢基地所属のF-16CM戦闘機による、三沢基地近傍の三沢対地射爆場(ドラゴン・レンジ)外への模擬爆弾の落下事故について、調査結果を発表した。
米軍が発表した調査結果とそれに基づく防衛省の発表によれば、事故は11月6日18時37分頃、第35戦闘航空団第14戦闘飛行隊のF-16CM戦闘機が7機編隊で夜間敵防空網制圧の編隊長練成飛行を実施中に発生。GBU-12模擬弾を投下した際に三沢対地射爆場の西約4.8キロメートルの民有地に落下した。なお、この事故では負傷者や建物などへの被害はなかった。
報告書では事故原因について、パイロットのミスであると断定。事故を引き起こした実質的な要因としては、事故機のパイロットが過度にコクピット内の計器に集中して僚機とのコミュニケーションが途絶えたこと。雲が射爆場内の標的を隠し、かつ日没後の訓練だったため、目標が良く視認できない状況で、事故機のパイロットが標的の特定および投下ポイント指定を僚機にゆだねる結果となったこと。本来の投下ポイントではなく、別の誤った投下ポイントを選択したために施設外に模擬弾を投下してしまったことを挙げている。
※写真=三沢基地第14戦闘飛行隊のF-16戦闘機(提供:在日米空軍)