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2020.04.14

ウイングトラベル

2020年度訪日客9割減、訪日需要3.6兆円減

日本経済研究センター、宿泊業が資金枯渇も

 公益社団法人 日本経済研究センターは、新型コロナウイルス感染症の拡大により、4月の訪日外客はほぼゼロになる見込みで、2020年度の訪日外国人旅行者数は前年比で約9割減少し、訪日インバウンド需要創出額は3.6兆円のマイナス、GDPは0.7%押し下げられると予想した。
 同センターでは、「外国人による旅行意欲がウイルス流行前に急回復することも望みづらく、東京五輪も来年に延期され、2020年度内の訪日外客数の戻りは僅かと考えることが妥当」と厳しい見方を示した。
 訪日外国人の急減で、観光産業は大きな打撃を受けているとし、とくに宿泊・飲食業では、国内の外出自粛の影響ともあいまって、景況感が急降下しており、資金繰りが逼迫すると指摘した。
 とくに、訪日外国人のシェアが全体の2割を占める宿泊業の売上高は、インバウンド需要の減少だけで2020年に20%弱下押しされる見込みだ。
 一方で、宿泊・飲食業ともに保有する現預金は月間売上高の1.5カ月分とされ、この売上減少額は、手元の現預金を枯渇させる規模としている。

 

※表=訪日外客の想定数(出典:日本経済研究センター)