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2020.04.15

ウイングトラベル

IATA、航空会社は約34兆円の損失被る可能性

旅客数が48%減で旅客収入は前年の半分以下に
日毎に暗くなる業界、V字回復も望めぬ

 国際航空運送協会(IATA)が4月14日(ジュネーブ現地時間)に示した2020年の航空会社における旅客収入の最新予測によれば、2019年と比較して3140億ドル(33兆6441億円)減少することが明らかになった。これは旅客収入が対前年比55%もの減少に相当する計算で、前年の半分を割り込むことになる。
 IATAは去る3月24日、各国政府が適用している厳しい渡航・出入国制限が3ヵ月続けば、2520億ドル(約27兆円)の損失(前年比-44%)との予測を示していた。しかし、4週間ほどでさらに損失幅を大きく拡大する予測へと下方修正した。IATAは3月24日以降、危機は大きく深化しているとして、新たな予測値をまとめたという。
 今回のあらたにまとめた予測値についてIATAは、当初3ヵ月程度とみられていた各国政府による渡航・入国制限が、3ヵ月を超えて敷かれる状況となったことのほか、3月の予測時点では新型コロナウイルスの感染拡大がそれほどみられなかったアフリカおよびラテンアメリカ地域でも深刻な状況に陥ったことなどを考慮。これにより2020年における通年の旅客数は、2019年と比較して48%も減少するとの予想を示した。
 ただでさえ新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の減退と、路線ネットワーク縮減にみまわれているなか、世界経済は真っ逆さまに不況へと突入しようとしている。これが航空需要の減退へと結びつく。