WING
宇宙マウス飼育システム活用して日米共同ミッションへ
将来の有人宇宙活動に際したデータ活用などに期待
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と筑波大学のチームは4月14日、JAXAが中心となって開発した宇宙におけるマウス飼育システムを活用して、日米共同の低重力ミッションを実施することに合意したことを発表した。これは国際宇宙ステーション(ISS)の利用成果最大化に向けた日米協力枠組みの下で行われるもので、米国航空宇宙局(NASA)との間で、今年2月に合意したという。
この共同ミッションは2022年頃に実施する計画で、JAXAの宇宙マウス飼育システムを用いて、0〜1Gの間の4つの異なる重力環境において同時にマウスを30日程度飼育する。NASAがマウスに対する人工重力環境を利用したミッションに参加するのは初めて。
JAXAは、第1回目のマウス飼育ミッションにおいて重力影響に関し網羅的な解析を行っている研究者(代表研究者:筑波大学医学医療系 高橋智教授)の協力を得て、日米の国際研究チームにより統合的に解析・評価を進める予定だという。
JAXAによると、マウスが低重力の環境において、どのような反応を示すのかは未知のままであり、JAXAがこれまで蓄積した0、1/6、1Gのデータと合わせて、日米共同ミッションを通じて体系的な評価が可能となると期待している。これにより例えば反応閾値の存在などが明らかになれば、世界で初めての知見になるとともに、将来の月・火星探査における有人活動の支援に向けた貴重なデータとなることが期待される。・・・・・・。