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2020.05.08

ウイングトラベル

★日本人海外旅行、FITや富裕層市場から回復へ

 当面は航空座席数減少、旅行代金の一時的な高騰も

 日本旅行業協会(JATA)は4月27日、28日の2日間にかけて新型コロナウイルスと日本の観光業を考える緊急セミナーを開催した。第2部のセミナーでは「新たな旅行トレンドを創る〜日本の旅行業界に期待すること」をテーマに行われた。セミナーでは国内外のDMOの立場から駐日外国政府観光局協議会(ANTOR-JAPAN)のフレデリック・マゼンク会長(フランス観光開発機構在日代表)と雪国観光圏の井口智裕代表理事(
いせん代表取締役)が講演を行った。
 このうちマゼンク氏は日本の海外旅行需要回復について「まずは海外旅行に対する不安の払しょくや海外旅行の魅力を再発見するプロモーションを業界が一体となって行う必要がある」と強調した。そのうえで日本人の海外旅行需要の回復については「当面は航空便の減少が続き、提供座席数が減少することとなり、一時的に旅行代金の高騰は避けられない。そうしたことからまずはFITや富裕層マーケットの需要喚起に向けたマーケティングに取り組むべきである」という考えを示した。
 また、井口氏はこれからの国内旅行マーケットの動きにについて「地域らしさを楽しむ旅にこれまで以上に関心が集まるのではないか」と指摘。そうした中で「自治体、DMO、旅行会社が同じビジョンを共有することが求められるとともに、地域の魅力をストーリーとして提案することができるツアーガイドの存在が重要となる」という考えを示した。

 ANTOR-JAPANマゼンク氏「完全回復22年以降」
 衛生面の不安払しょくへ業界ルールの構築を
 業界一体で、海外旅行の魅力訴求やマーケ研究を
 仏観光業界は日本市場の存在に高い関心
 雪国観光圏井口氏「異日常体験の提案がカギ」
 コロナ終息後は「のんびり過ごす旅」に脚光
 自治体、DMO、旅行会社のビジョン共有不可欠
 地域ストーリー訴求へツアーガイドの存在重要
■ミキ・ツーリスト檀原氏「公衆衛生への意識高まる」
 観光地の分散と新たなガイドツール提案がカギ

 

※写真=ANTOR-JAPANのフレデリック・マゼンク会長

 

※写真=雪国観光圏の井口智裕代表理事

 

※写真=ミキ・ツーリストの檀原徹典社長