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2020.05.19

WING

自衛隊初の宇宙領域活動部隊「宇宙作戦隊」発足

河野防相「パイオニアとして奮励努力」

 防衛省・自衛隊は5月18日、航空自衛隊府中基地に新編した宇宙作戦隊の隊旗授与式を行った。式典は新型コロナウイルス感染症の影響で、府中基地ではなく省内での実施となった。さらに部隊から参加したのは、初代隊長の阿式俊英(あじきとしひで)2等空佐と旗手の2人のみ。少々寂しい授与式となったが、自衛隊初の宇宙領域専門部隊への期待は大きく、隊旗を手渡した河野太郎防衛大臣は「パイオニアとして奮励努力し、国民からの高い期待と負託に応えてほしい」と激励した。
 河野大臣は部隊への激励の中で、自衛隊発足以来66年間にわたり日本の領土・領海・領空を守り続けてきたが、最近では安全保障環境が変化したことを説明した。従来の陸・海・空だけでなく「今や宇宙をはじめとした新たな領域で、日本の優位性を確保することが重要」だと強調した。
 また自衛隊では以前から、宇宙領域で活躍する人材を輩出してきたと説明。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士として、国際宇宙ステーションでの長期滞在ミッションに参加した、元自衛官の油井亀美也氏や、金井宣茂氏の名前を挙げた。そして「本日、自衛隊自身が宇宙領域において主体的な役割を果たすため、自衛隊史上初となる宇宙領域専門部隊として、宇宙作戦隊を新編する」と語り、自衛隊が自ら宇宙分野を担うようになったことを強調した。
 さらに河野大臣は今後の課題として、システム整備や自衛隊の育成を挙げた。宇宙作戦隊の本格的な運用・・・・・
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