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2020.05.29

WING

NAA、震災以来の減収減益、改修費増に感染症影響

20年度見通し未定、感染影響で合理的算定できず

 成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は5月28日に会見を開き、2020年3月期連結決算について発表した。売上高は前期比5%減(125億円減)の2371億円となって、営業利益が27%減(150億円減)の407億円、経常利益が27%減(144億円減)の391億円、当期純利益が31.7%減(113億円減)の244億円と、減収減益だった。もともと中間決算の段階でも、2020年開催予定だった東京2020大会に対応する施設改修費用増加の影響で減益になる見通しだったが、これに2月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大影響が加わることになったため、減収減益幅が拡大することになった。
 田村社長は、通期で「減収とあわせて、利益面すべて減益となったのは、東日本大震災および原発事故の発生した2011年以来」だと述べ、感染症の影響が近年で最も大きいインパクトになったことを説明した。それでも感染症の影響が顕著になったのは2月以降だったため、2019年度への影響は限定的だったと評価した。そのため、感染症の影響が本格化する2020年度業績見通しについては「現時点で収束時期を見極めることが困難であり、今回は未定」として、改めて合理的な算定ができるようになった段階で公表するという。

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