記事検索はこちらで→
2020.06.10

WING

IATA、今年の航空業界損失を9兆円と予想

ジュニアックCEO、「財政面で航空史上最悪の年」

 国際航空運送協会(IATA)は6月9日(ジュネーブ現地時間)、2020年に世界の航空会社は843億ドル(約9兆円847億円)の損失が見込まれるとの見通しを発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で業界全体が未曽有の危機に陥っているなか、航空会社全体の売上高は2019年の8380億ドル(90兆2940億円)から、実に半減する4190億ドル(45兆1470億円)まで落ち込むと予想した。一方で、2021年には売上高が5980億ドル(約64兆4333億円)まで回復すると予測。来年の損失額は158億ドル(約1兆7023億円)と、今年に比べると大幅に損失幅が縮小するとの見通しを示した。
 IATAが今年4月に発表した今年の最悪のシナリオでは3140億ドル(約34兆6400億円)もの巨額の損失を予測していたが、昨今の各国における航空再開および需要回復の動きなどを踏まえ、依然の予測と比べれば損失見通しは大幅に改善した予測を示したかたちだ。・・・

 

旅客数は昨年の半分、2006年水準に逆戻り
旅客収入は約60%減、需要喚起で低運賃影響

 

貨物事業に光、旅客便減少で運賃上昇
深刻なスペース不足、貨物輸送運賃は30%上昇

 

※写真=航空業界における今年の損失予想額は9兆円以上の予想。4月の34兆円損失予想から大幅に改善する見通しだがそれでも厳しい状況には変わりない。写真は静まり返った成田空港