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2020.06.26

WING

ルフトハンザ、経営破たん目前で回避

臨時総会で政府支援受け入れ可決

 ルフトハンザドイツ航空の臨時株主総会が6月25日(現地時間)に開催され、ドイツ政府から最大90億ユーロにも及ぶ巨額融資などを柱とした経済安定化基金パッケージの受け入れを可決した。臨時株主総会には、約3万人の株主が出席。株式資本の39.0%の株主が参加し、このうち出席した株主の98%が決議案を承認することに賛成票を投じた。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で財政状態が悪化したルフトハンザドイツ航空は、ドイツ政府から経済安定化基金パッケージを通じた大規模な支援策を取り付けた。政府による巨額の支援を受けていないライバル他社から同社は猛烈な批判を浴びつつも、フランクフルト空港、ミュンヘン空港といった同社のハブ空港のスロットの一部を返還することなどによって欧州委員会における合意も得ることに成功。ドイツ政府から巨額融資など支援を受けるためには、残すは株主の合意を取り付けるのみという段階になった。そこへ急転直下、まさかの危機が訪れた。
 その危機とは、筆頭株主であるハインツ・ティーレ氏が、去る6月16日の『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』紙のインタビューのなかで、ドイツ政府の支援に反対票を投じることを明言したこと。これに焦った同社は翌17日、株主に対して25日の総会に参加して賛成票を投じるよう、すぐさま声明を発表。経済安定化基金受け入れが可決されなければ、数日中にも破産法下での保護措置を申請しなければならないと訴えた。しかしながら、同総会への株主の出席表明が芳しく無く、形勢は会社側不利という流れになっていった。・・・

 

スポア会長、「成功した未来展望をもたらす」
9月までに短距離線90%、長距離線70%が再開

 

※写真=臨時総会で独政府による支援受け入れを株主が可決。筆頭株主の受け入れ反対表明で一時は先行きが危ぶまれたが経営破たんを回避することに成功した。今後は路線ネットワークの再開を加速する(提供:ルフトハンザドイツ航空)