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革新的衛星技術実証1号が運用終了
1年間の軌道実証経て停波
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月25日、革新的衛星技術実証1号の一部として、昨年1月18日に内之浦宇宙空間観測所からイプシロンロケット4号機で打ち上げた小型実証衛星1号機(RAPIS-1)の運用を終えたことを発表した。搭載した7つの部品・機器の実証テーマの1年間の軌道上実証を終え、今年6月24日7時50分に停波作業を実施した。
RAPIS-1は「革新的衛星技術実証1号機」で選定された部品や機器を軌道上で実証するための衛星で、JAXAの衛星としては初めてスタートアップ企業が開発及び運用を行ったことなどで注目された。
RAPIS-1の約1年間の運用を通じ、搭載した全ての実証テーマのフルサクセスを達成することに成功した。
各実証テーマでは例えば、日本電気(NEC)が革新的FPGA(NBFPGA)の耐宇宙環境性能軌道上評価を行い、運用期間中一度もソフトエラーは発生せず、書換え実験にも成功。宇宙環境で期待どおりの性能を実証した。この成果を踏まえ、革新的FPGAを広く普及させる事業の検討を開始しているという。
また、慶応義塾大学が「X帯2-3Gbpsダウンリンク通信の軌道上実証」を行っており、周波数帯Xバンドで臼田局10mアンテナで受信し、世界最高通信速度の2.65Gbpsを達成。その成果を民間スタートアップ企業が活用中だ。・・・
※画像=数々の実証に成功し停波された革新的衛星技術実証1号の軌道上想像図(提供:宇宙航空研究開発機構)