記事検索はこちらで→
2020.07.14

WING

ボーイング、米空軍からF-15EXの初期生産ロット受注

8機分で総額12億米ドル、来年第2四半期から納入開始
 
 ボーイングは7月13日(セントルイス現地時間)、米空軍との間で初期ロットに相当する8機のF-15EX調達に関する契約を締結することに成功したことを発表した。ボーイングによると、契約額は約12億ドルに達する。初期ロットで生産する8機のF-15EXは、フロリダ州エグリン空軍基地で各種試験にあたる。最初の2機の引き渡しは2021年第2四半期(4-6月)を計画しており、残りの6機は2023年に納入する予定だ。
 米国ではすでに2020年予算で8機分の調達が承認を受けており、来年度予算でも12機分を要求している。米空軍では5年間で計76機のF-15EXを調達する計画だ。
 なお、米空軍はF-15EXの数量未確定契約(IDIQ:Indefinite- Delivery Indefinite-Quantity Contracts)の全体計画について、230億ドルを上限とすることも明かした。

 

現F-15運用基地は数ヵ月から数年で移行可能
F-15EXは運用初日から進化する機体

 

 米空軍戦闘司令部のマイク・ホームズ司令官は「F-15EXはラインオフしてすぐに戦う準備ができる機体だ」とコメント。「現在F-15を運用している基地は、数ヵ月から数年でF-15EXへと移行することができると期待している」とし、早期の移行に期待を寄せた。
 米空軍はこのF-15EXを、現有のF-15C/Dの後継機として導入する。ボーイングは単座のF-15Xと複座型のF-15EXを提案したが、米空軍が最終的に選んだ機体は複座型のF-15EXだった。
 ボーイングによれば、F-15EXは同社がこれまで提案してきたカタール空軍向けのF-15QAなどのアドバンスドF-15に近い能力を有しているが、あくまで新造機であって単なるF-15Eの再生機ではない。様々な新たな技術を採り入れていくものとなる。
 ボーイングによれば、F-15XではAESAレーダーのほか、フライ・バイ・ワイヤの適用、さらには最新の能力向上型の電子戦機材、ミサイル搭載弾数の増量などが図る。加えて1秒間に870億回もの計算処理能力を有する世界トップラスのミッションコンピュータを搭載し、次世代型の先進コクピットシステムを備え、パイロットのワークロードを大幅に軽減する。・・・

 

※写真=米空軍がボーイングとの間で初期生産ロット分の8機のF-15EX調達で契約を交わした(提供:米空軍)