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2020.08.04

WING

三菱重工、第1四半期は純損失579億円の赤字転落

民間機Tier1事業は生産調整で売上「半減」に

 三菱重工業が8月3日に発表した2020年度第1四半期決算(20年4-6月期)によると、親会社に帰属する四半期純損益は579億円(前年同期:純利益219億円)の赤字に転落した。売上収益は対前年同期比15.4%(1413億円減)減少した7780億円と大幅に減少しており、事業損益も713億円(同:事業利益404億円)の赤字計上となるなど、厳しい数字が並んだ。受注高は8.1%減少した6896億円(同:7502億円)だった。ちなみにスペースジェット関連の影響を除いた定常収益ベースでみると、事業利益は24億円の損失に。親会社に帰属する当期純利益は6億円だった。
 新型コロナ禍にあるなか、三菱重工の第1四半期決算は純損失に転落。前年同期に比べて低調に推移しているようにみえるが、同日、ウェブ会見に臨んだ三菱重工業取締役執行役員の小澤壽人最高財務責任者(CFO)は「5月に提示した新型コロナウイルスの影響を考慮した年間見通しとの対比でみると、概ね想定どおりに推移していると評価している」ことを明かした。その上で、「通期見通しの達成に向けて、引き続き固定費削減などを推進する」とした。
 小澤CFOは「新型コロナウイルスによる経済環境変化の影響を大きく受けている、とくに航空機や自動車関連、中量産品事業を中心として減収している部門が多くある」とコメント。その一方で、「国内における事業を中心とする原子力や防衛関連は堅調に推移している」ことを明かした。
 またスペースジェットの投資について、「事業利益688億円の損失」とし、・・・

 

航空防衛宇宙、事業利益は620億円赤字
Tier1事業、「第1四半期が底見込むも動向注視」

 

航空エンジン、売上収益は55%減
「底打ち感あり通期は想定範囲内に」

 

※写真=三菱重工業の第1四半期業績では579億円の純損失を計上。民間航空機のTier1事業や航空エンジン事業、さらには自動車関連などの事業が新型コロナの影響を大きく受けたほか、スペースジェット関連でCRJ事業の買収の減損損失も響いた。写真はボーイングの787最終組立ライン