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2020.08.07

WING

本邦LCCの中距離国際線戦略に急ブレーキ

コロナ禍で各社A321LR導入が延期に

 本邦LCCが描く中距離国際線戦略は、新型コロナの影響で急ブレーキがかかっている。ピーチ・アビエーション、ジェットスター・ジャパンは、中距離国際線戦略を描くキーであるA321LRの導入延期をそれぞれ決めた。
 エアバスのA321LRの航続距離は7400kmで、両社で現有のA320ceoよりも900kmほど長い。これまで両社はA320ceoのオペレーションを軸に、4時間圏内の飛行時間を中心に路線ネットワークを構築してきたが、新たにA321LRを導入することによって、より広範囲にアジア・マーケットを開拓することができるとして、今後の戦略の目玉の一つとなっていた。
 そうしたなか2018年7月にA321LRの導入を発表したピーチ・アビエーションは当初計画では2020年度中に2機のA321LRを受領する計画だったが、本紙の取材に対して「来年度以降に受領する」(森健明CEO)計画にあることを明かした。
 前・井上CEOは中国内陸部の都市への投入を模索していたが、今年4月に就任したばかりの森CEOはA321LRの就航地について、現段階では「目的地は限定せず、飛行時間5〜6時間のエリアで検討する」としており、新型コロナウイルスの感染拡大や昨今の情勢を踏まえ、中国内陸部を含めて幅広く投入する路線を検討するとした。
 ちなみにピーチ・アビエーションは2018年に、去る2016年11月に締結した10機分のA320neoの契約を8機へと変更。うち2機分の契約をA321LRに変更した。
 一方、ジェットスター・ジャパンも2018年11月にA321LRを導入することを決定。同社広報部によれば、「機材導入を含めて不要不急のプロジェクトにおいては延期することを決定した」としており、A321LRの新たな導入時期についても現在検討中としている。
 ジェットスター・ジャパンの片岡優社長はA321LR導入表明当時、・・・・・・・

※写真=ピーチ、ジェットスター・ジャパンはそれぞれA321LRの導入を延期。中距離LCCモデルを描いてきたがコロナで見通しが立っていない(提供:エアバス)