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ロールス・ロイス、低排出物燃焼システムの地上試験再開
2030年代に市場投入予定のエンジンに適用
ロールス・ロイスはこのほど、英国ダービーにおいて先進的低排出物燃焼システム実証エンジンー「ALECSys」(Advanced Low Emissions Combustion System)の地上試験を再開したことを発表した。ガスタービンの排出量削減は、ロールス・ロイスの持続可能性戦略の一つで、リーンバーン(希薄燃焼)システムの研究開発を進める。リーンバーン方式ならば点火前の燃料と空気の予混合を改善することができ、燃料がより完全に燃焼することから、窒素酸化物や微粒子の排出が抑えることができる。
ロールス・ロイスによれば、実証を再開した今回の段階では低排出性能やエンジン制御システムソフトウェア、機能性能の実証を行う。地上試験の再開は2018年に実施した第1段階の試験を通じて獲得したデータの解析を終えたためとのことで、実証実験を第2段階へとステップアップすることにした。現在のところ実証試験をいつまでに終えるという日程は設定しておらず、必要な情報や性能が得られるまで実証作業を継続する方針で、将来的には「ALECSys」は「UltraFan」、「Advabnce3」といった実証エンジンに用いる技術となり、2030年代に市場投入することをを目指している。
「UltraFan」と「Advance3」に適用へ
来年にはUltraFanの部品組立開始
「ALECSys」は、欧州連合(EU)が資金拠出するプログラムである「Clean Sky」と英国のAerospace Technology InstituteおよびInnovate UKの支援を受けているプログラム。ロールス・ロイスの「Advance3」と「UltraFan」プログラム両方で使用されている先進的低排出物燃焼システムの研究開発を進めるもの。
航空機エンジン燃焼器は・・・・・。
※写真=ロールス・ロイスが先進的低排出物燃焼システム実証エンジンー「ALECSys」の試験を再開。第1段階のデータ解析を終え次の段階に。2030年代に市場投入するエンジンに技術を適用することを目指す(提供:ロールス・ロイス)