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2020.08.20

WING

航空局、羽田新経路で騒音測定結果を定期公表

コロナ禍で通常より機材小型に、落下物件数はゼロ

 国土交通省航空局は、去る3月29日から運用を開始した羽田空港の新飛行経路について、各騒音測定局の測定結果や、部品欠落の報告件数など、ホームページで定期的に公表を行う。3月29日から4月30日までの測定局ごとの実測値は、住民説明会で示した推計平均と比較すると、約65%の33局で推計平均値と同等だったが、約18%の9局で推計平均以上となって、ほか約18%の9局で推計平均以下になったことが確認できた。しかしこれは新型コロナウイルス感染症の影響で、新飛行経路を飛行した便数は通常よりも少ない状況。機材も普段より小型・軽量化したものだったため、それらの要素を留意する必要があるとした。
 さらに騒音測定の一環で、着陸時にRNAVを運用した降下角3.45度とした時の騒音軽減効果について分析を行った。着陸ルートとなるA・C滑走路の延長線上に位置する8ヵ所の測定局で実測値の平均を比較したところ、通常のILSを運用した降下角3度の時よりも、RNAV運用時には0.1~1.6dBの騒音軽減効果があったことが分かった。
 また部品欠落報告について、3月29日から6月30日までの期間に新飛行経路で確認された落下物事案は0件だった。羽田空港では2019年3月から、空港管理者である国が駐機中の機体チェックを実施していて、2020年度からこの点検体制を強化してきたところ。部品欠落の報告は、成田から始まり羽田・関西・中部・福岡・那覇・新千歳の計7空港へ拡充した制度。2019年度の報告では計928個の欠落部品が報告されていたが、羽田のみであり、かつ短期間ながら、6月末まで0件だったことは、機体チェック強化の取組みが奏効したといえる。

 

実機飛行確認の比較では30局で推計並み
推計以上が22%、推計以下が20%に

 

3.45度降下のRNAV運用、騒音軽減効果確認
2段階よりも角度維持で軽減効果大

 

※公表ページ「羽田空港のこれから」
https://www.mlit.go.jp/koku/haneda/

 

※写真=羽田空港の新飛行経路運用については、騒音測定結果を2ヵ月ごとに公表する

※図=騒音測定局の位置。赤字の場所はRNAV運用時の騒音軽減効果を比較する測定局となる(提供:航空局)