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2020.09.07

WING

防衛省、イージス・アショア導入断念まで経緯報告

技術検証と地元説明、配備急ぎ同時に進行

 防衛省は9月4日、このほど導入を断念したイージス・アショアについて、導入決定から廃止に至った経緯をまとめた報告書を発表した。この問題では、発射ミサイルから落下するブースターを安全な場所へ誘導できる、と地元住民へ説明していたにもかかわらず、実現が難しい技術的問題が明らかになった。報告書では、当時安全保障環境が厳しくなる中で、省として同施設の配備を急ぐ必要があると考えていたという。そのため、米側との協議を踏まえた安全措置の検討と、地元説明を同時並行で行ったことで、説明との齟齬が生じて約束していた安全性を実現できなくなったと説明。慎重さ、誠実さを欠いた対応になったとした。
 報告書では、イージス・アショア配備に関する業務全体で、検討体制が十分でなかった面は否定できないとした。それは、説明資料で候補地の遮蔽物の高さが誤っていた事例を示した上で、十分な体制を構築する必要があったことを強調した。そのため、省内の意思疎通や情報共有のあり方などを重視。仕事を進めるに当たって、風通しの良い業務環境を整備する必要があることを指摘した。
 地元説明での対応については、当初から安全対策に万全を期すという考えに立って、丁寧な説明を行うよう検討されるべきだったと振り返った。住民避難など、国民保護措置を含めた安全対策が必要だったとした。さらにイージス・アショアが迎撃ミサイルSM-3を発射するときは、日本に向けて弾道ミサイルが発射されている状況。そうした極限の状況を想定して配備を計画していたことについて、地元から理解を得る必要があったとした。・・・

 

導入決定当初は、落下物の具体的検討いたらず