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2020.09.07

WING

航空局、確実な保安検査実施へ法的根拠を明確化

義務・ペナルティ明記へ、責任主体のあり方も検討

 国土交通省航空局は、航空機の安全な運航を維持するため、空港で行う保安検査の法的根拠を明確にする。検査を有効に機能させるため、検査の義務やペナルティを法令へ明記して、確実に実施できる体制にする。さらに、保安検査自体が複雑な関係で成り立っていることから、責任主体のあり方や主体ごとの役割分担の位置付けを進める。これまで航空保安検査の制度的な検討は、有識者会議で進めてきたところ。このほどの論点整理を行って、取り組む課題などを明確にした。今年末から年明けごろには中間取りまとめを行って、保安検査のあり方を示す予定だ。
 航空需要は、感染症の拡大で一時的に減少しているものの、将来的には需要の増大が見込まれる。一方で国際テロなどの脅威は増していて、そうした脅威に対応するためにも、航空保安検査が今後一層重要になってくる。その中で、検査の質・量を向上させるためにも法的根拠を明確にさせる必要がある。最近、航空機では持込制限品の未検出事案が多発している。その背景には、旅客の認識不足によって制限品が航空機に持ち込まれるケースが多く見られる。さらに検査員の高い離職率など人手不足によって、検査が効果的に行われないといった課題も見られる。そのため、罰則などを周知して、スムーズに検査を行える環境を醸成したい考え。
 また、保安検査の複雑な業界構造も解決が求められる課題。確実な保安検査は、その責任を持つ航空会社のほか、関係する空港管理者、検査会社などそれぞれの主体との連携が不可欠。責任主体のあり方も含め、主体ごとの役割分担や制度上の位置付けなど、検討を進めていくとした。

 

違反者への罰則を周知、BJ旅客・受託手荷物も整理

 

先進機器の導入で質・量向上、検査員教育も検討

 

※写真=航空保安検査の法的根拠を明確にして、検査の質・量向上をはかる