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2020.09.14

WING

新たなミサイル防衛方針、今年末に方向性示す

「迎撃のみでは守りきれない」安倍首相が言及

 安倍晋三内閣総理大臣は9月11日に発表した談話で、イージス・アショア配備中止によって方針が問われていたミサイル防衛について、その代替案や将来的な方針を2020年末までに示す考えを述べた。そのあり方や具体的な方策などは、次の政権へ委ねるかたちだ。相手領域でミサイル発射を無効化する、いわゆる攻撃能力については直接明言せず、迎撃のみでは日本を守りきれないという問題意識を提言したものの、日米同盟を含む抑止力強化の必要性に言葉をとどめた。
 安倍総理は談話の中で、ミサイル防衛のあり方について、政府の問題意識を示し、検討すべき課題を整理した上で、年末までに方針を示すとした。政府によれば、総理退任に当たり、次の政権のため、現在抱える課題を明確にする必要があったため、談話を行ったという。しかし各報道では、これをもってイージス・アショア配備中止に伴う代替案や、政府方針のあり方を示すと見ていたため、肩透かしを食らった感は否めない。それでも安倍総理の談話は、各種ミサイルの脅威に対して、迎撃だけでは対応しきれないことに言及して、相手ミサイル施設を発射前に叩くことができる対応について、議論の必要性を滲ませたものとなった。・・・

 

厳しさ増す日本周辺の安全保障環境
北朝鮮・中国の脅威から国民守ることが政府責務

 

※写真=イージス・アショア代替や、相手領域での基地無効化など、ミサイル防衛の新方針は2020年末に示すことになった