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2020.09.23

WING

新千歳空港の空港運営民間委託が開始

【空の日特別寄稿】 新千歳空港は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前まで需要の伸びが著しく乗降客数、離着陸回数とも年々増加の一途を辿っており、こうした需要の伸びに対応するため平成28年度から国際線ターミナル地域再編事業を実施してまいりました。令和元年8月に旅客取扱部分の供用が開始され、拡張した出発ロビーではチェックインカウンターが増えたほか、自動チェックイン機の設置や保安検査場でのスマートレーンの導入で出発時の手続きがよりスムーズになりました。また、これまで国内線と国際線の航空機の動線が輻輳し混雑が発生していましたが、新設した南側誘導路が令和2年3月に供用開始され、今後は誘導路の混雑の緩和が見込まれております。新型コロナウイルス感染症が終息し需要回復期を迎えた際には、整備・拡張した設備を活用し旅客数増加による混雑やサービスの多様化に対応した利便性の高い空港となることが期待されております。
 新千歳空港では、民間による創意工夫を活かした一体経営を実現し、着陸料等の柔軟な設定等を通じた航空ネットワークの充実、内外の交流人口拡大等による地域活性化を図ることを目的として、空港運営の民間委託を進めて参りました。北海道エアポート(以下HAP)との実施契約締結以降、順調に業務引継を進めておりましたが、終盤は新型コロナウイルス感染症の影響を受け難しい状況になったものの、無事に業務引継が完了し北海道内7空港の先陣を切って、2020(令和2)年6月1日からHAPによる新千歳空港運営事業が開始されたところです。国管理空港としては、仙台、高松、福岡、熊本空港に続く5番目となりますが、今回の運営事業は、北海道内の国管理空港と地方自治体管理空港の7空港(国管理:新千歳、稚内、釧路、函館/地方自治体管理:旭川、帯広、女満別)を一体として運営する初めての取り組みとなります。HAPによる空港運営事業の開始は、コロナ禍という強い逆風の中での離陸となりましたが、引き続き地域の皆さまや空港をご利用頂くお客様を大切に、お客様が便利でかつ、安心して新千歳空港をご利用頂けるようHAPをはじめとした空港関係者と密接な連携を図りながら我々新千歳空港事務所職員も一丸となって最大限支援して参る所存です。
 北海道の街や大自然は、四季それぞれに私達に日常を忘れさせてくれる大きな魅力があり、国内外から多くのお客様が来道されます。新型コロナウイルス感染拡大が一日でも早く終息し、多くの人々が新千歳空港を利用し北海道にお越し頂ける日が訪れることを心より願っております。

 

新千歳空港長 山田 修

 

※写真=新千歳空港事務所の山田修空港長