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2020.10.01

WING

防衛省21年度概算要求、過去最高水準の5.5兆円

FMS取得3286億円、陸型イージス代替は事項要求で

 防衛省発表の2021(令和3)年度概算要求は、防衛関係費が前年度比8.3%増の5兆4897億円として、前年度予算を上回る過去最高水準の予算となる要求額とした。そのうち人件・糧食費が3.5%増の2兆2167億円で、物件費が11.9%増の3兆2730億円。物件費の中でも歳出化経費が15.5%増の2兆2337億円で、活動経費など一般物件費が4.7%増の1兆393億円とした。特に有償軍事援助(FMS)による装備品の取得では1427億円減となる3286億円を要求した。イージス・アショア関連装備の取得を想定していた前年度よりも要求額は減少したかたちとなった。さらに新領域分野では能力獲得のため、各自衛隊で組織改編を伴う取組みを強化を進める方針。さらに次期戦闘機開発を着実に進めるとして、機体の構想設計に続き、エンジン設計にも着手する考えだ。
 防衛関係費とは別のSACO関係経費、米軍再編関係経費のうちの地元負担軽減分、イージス・アショア代替措置関連経費、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に伴うテロ対策関係経費については事項要求とした。それらは2020年末の予算案決定までに費用を決定する。特にイージス・アショアの代替については、導入する装備品が決定するとともに、ミサイル防衛の新たな方針が決定することになっていて、注目される。新規後年度負担については11.1%増の2兆6712億円を要求した。
 21年度概算要求は、30大綱、31中期防の3年度目として、多次元統合防衛力の構築に向けた整備を加速化させる。そのために必須とされる宇宙・サイバー・電磁波の新領域分野での能力獲得・強化に重点を置く新規事業が目立つ。しかしながら、特に力を入れる考えを示したのが人的基盤の強化だ。・・・

 

空自に宇宙作戦群新編、宇宙領域一手に指揮
自衛隊サイバー防衛隊新設へ、共同部隊で要求

 

次期戦闘機開発、高機能レーダ開発41億円で推進
エンジン設計に着手、引き続き構想設計も

 

力を入れる環境改善、より優秀な人材の確保へ
任期満了した任期制自衛官の奨学金創設も

 

事務官など増員178人要求

 

崎辺東地区(仮称)整備で南西方面の後方支援

 

※写真=防衛省発表の2021年度概算要求は、前年度比8.3%増の5兆4897億円と過去最高水準の予算となる要求額になった