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2020.10.05

WING

嵩上工事完成へ、リノベーションで安心利用促進

―関西国際空港長:山田康弘

【空の日特別寄稿】 関西国際空港は9月4日に開港26年目を迎えました。昨年末まではインバウンドの増加により、航空需要は右肩上がりとなり、2019年の年間旅客数は3190万人に、また、年間発着回数は20万回を超えました。しかし、今年1月に国内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認された後、国際線需要が1月末より減少に転じ、緊急事態宣言が発令された4月以降は国内線需要も大きく減少しました。2019年の旅客数は1日平均87000人(国際線68000人、国内線19000人)でしたが、今年4~7月の旅客数は1日平均3200人(国際線200人、前年比96%減、国内線3000人、同84%減)に減少しています。
 新型コロナウイルス感染防止対策については、関西空港検疫所、関西エアポートをはじめ、空港内の各事業者、官庁等の連携のもと、空港利用客の皆様のご協力を得て、PCR検査、抗原検査、感染予防取組等の水際対策が実施されているところです。
 また、関西国際空港では2年前の台風21号による浸水被害を教訓(3日間の機能不全)に、空港1期島の各所で浸水防止工事が進められています。護岸を1.5メートル以上嵩上げする工事が2020年度に完成するほか、護岸沿いに重さ12トン以上の消波ブロックを約4万個敷設する工事、電源設備の地上化、航空保安無線施設(VOR/DME)を標高の高い2期島へ移設する工事などが進められています。さらに、南海トラフ巨大地震への備えを含め、旅客の皆様に安心して快適に利用していただくため、関西エアポートにおいて旅客ターミナルの大規模なリノベーションが計画されています。
 今後、コロナ後の需要回復には時間を要すことが予想されますが、少なくとも2025年に開催される大阪関西万博の際には、コロナ前の年間旅客数3190万人を超える4000万人に対応できるように、関西国際空港の処理能力をハード・ソフト(施設・運用)の両面で高める必要があると考えられます。
 関西国際空港は関西地方の経済を支えるインフラであるとともに関西を象徴するランドマークの1つです。関西空港事務所では、地元住民の皆様との共存・共栄を大切にし、空港の運用において、環境保全の取組みに万全を期してまいります。そして24時間運用と滑走路2本の高いポテンシャルにより、関西地方さらには西日本のゲートウェイ空港として飛躍できるように取組んでまいりますので、今後とも皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。(関西国際空港長:山田康弘)

 

※写真1=関西空港事務所の山田康弘空港長

今年度中に1期島の嵩上工事が完成する予定