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ボーイング、民間機10年需要予測を前年比11%減に
長期的には需要回復で4万3110機見込む
ボーイングは10月6日(シカゴ現地時間)、最新の民間航空機・防衛航空宇宙市場予測を発表した。このうち民間航空機の市場予測では、今後10年間(2020年~2029年)で1万8350機の機体需要が見込まれると予測。金額に換算すると、約2兆9000億ドル規模の市場となる試算だ。ただ、新型コロナウイルスの影響で航空業界が危機に直面していることから、昨年の予測に比べて機体需要の見通しを11%も下方修正したかたちだ。それでも20年間(2020年~2039年)の長期予測においては、民間機市場は再び旺盛な成長軌道に戻るとして、4万3110機の機体引き渡し需要が見込まれるとした。
ボーイングは今年の需要予測について、過去に前例のない短期的な混乱と、過去数十年にも亘ってみられた長期的な回復力の組み合わせを反映したものとコメント。航空会社が中期的にフリートを更新し、長期的に再び成長する決断を下すことによって、将来の航空会社のフリート戦略を形作っていくことになると指摘した。
その上で、航空会社は今後のフリート戦略について、ネットワークに将来的な柔軟性をもたらし、リスクを最小限に抑えながら能力を最大化し、効率性と持続可能性を向上することができる汎用性の高いフリートを構築することに焦点を当てるだろうと予想。国内線および近距離路線の市場が早期に回復すると予測されることから、まずは単通路機が回復を牽引するとの見方を示し、広胴機の回復が、それに続くとした。
10年予測、経年機の更新需要拡大
機体引き渡しの56%が更新需要に
20年後の空、航空機数は4万8400機
昨年は初の5万機超予測も再び4万機台に
貨物機市場、20年間で計2430機
新造機は930機、改修機が1500機
※写真=コロナ影響でボーイングは民間機の10年需要予測を11%下方修正。ただ、20年予測は4万3000機以上の需要が期待できるとした