WING
増設滑走路整備を終えた、那覇空港の近況
―那覇空港長:伊藤聡司
【空の日特別寄稿】 ちゅーがなびら(こんにちは)
2019(令和元)年(暦年)、那覇空港をご利用いただいたお客様は2176万人、8年連続で過去最多を更新しました。方面別では国際線が368万人、国内県外路線が1542万人、県内離島路線が266万人となっています。多くの離島とつながる路線は、経済、観光のみならず生活面でもとても大切な航空ネットワークです。しかしながら、令和元年度計としては2061万人と、コロナ渦の影響を受け前年度比95.7%となりました。
国際線については、近年、中国、韓国および台湾からのお客様の増加が顕著で、2012(平成24)年度の60万人から約6倍強と大幅な伸びとなっておりましたが、2020(令和2)年3月以降はコロナ渦の影響ですべての国際線が運休となり、その再開が待ち遠しいところです。
那覇空港の特徴のひとつとして、多くの民間航空機に加え、空港に隣接した航空、海上、陸上の各自衛隊基地所属の航空機、回転翼機の離着陸があることです。令和元年度の発着回数は15.9万回とコロナ渦の影響で減少となりましたが、引き続き、沖縄の空の玄関口である那覇空港の円滑な運用が重要となります。
現在の那覇空港は、従来の3000メートル滑走路に加えて、2020年3月に2本目の滑走路(2700メートル)が供用を開始し、それに先立ち1月には新たな管制システムを備えた新管制塔が運用を開始しました。これらにより、今後増大する航空需要に対応するとともに、沖縄県の持続的振興発展に寄与するよう、更に国内外航空ネットワークの拠点として十分に機能するものと考えています。
国際線ターミナルビルは2014(平成26)年2月に供用開始されたものですが、既に当初計画した容量を大幅に上回る利用旅客数になっていたため、那覇空港ビルディングでは、増大する需要に対応できるよう、既存の国際線ビルと国内線ビル間に「際内連結ターミナル施設」を整備し、2019(平成31)年3月に供用を開始しました。これにより、国際線と国内線が機能的に連結され、国際線チェックインカウンターも20ブースから60ブースへと大幅に増強されました。また、国際線エリアのCIQ施設の拡張も2020年8月に完成しております。
沖縄にとって観光は極めて重要な産業であり、沖縄県が策定した沖縄観光推進ロードマップでは、2021(令和3)年度の入域観光客数1200万人(内外国人観光客数400万人)を目標に施策を講じております。
また、沖縄県は国内・海外同一の観光ブランドを「Be.okinawa」として、国内外で各種プロモーションを実施し、沖縄の認知度アップに取り組んでおり、コロナ渦収束後の新規路線誘致による航空需要の増大が期待されるところです。
私たちは、多くの皆様の努力により完成した那覇空港の新たな諸施設を有効に活用し、空港利用者の利便性を向上し、安全で円滑な空港運営に務めるとともに、今後の航空需要に応えるための更なる施設整備や快適な利用環境を整えるよう取り組んで参ります。
どうぞ、okinawaへの旅行をお楽しみ下さい。(那覇空港長 伊藤聡司)
※写真=那覇空港事務所の伊藤聡司空港長